大学が地域とともにあることは、
周南市民の“市民力”アップにも
大きな力になります。

<周南市長> 1952年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、司法書士・行政書士開業。徳山商工会議所青年部会長、山口県議会議員などを経て、2011年5月より周南市長。

大学の活動が地域の活性化に
役立つということが評価されて
はじめて、地域に輝く大学に
なれるのだと思います。

<徳山大学 学長> 1949年、大阪府生まれ。早稲田大学理工学部卒業、同大学院博士課程修了。ドイツ・ジーゲン大学助手、徳山大学教授などを経て、2010年4月より徳山大学学長。

地域とのつながりを大事にする伝統が
今も受け継がれていることを
嬉しく思っています。

<和田山企画 代表> 1964年、山口市生まれ。徳山大学経済学部卒業後、新周南新聞社にて記者として活躍。その後、独立し、個人事務所「和田山企画」を設立。現在は映画コメンテーター、ディレクター、ライターなどとして活動中。

DISCUSSION & MODERATOR
MEMBER PROFILE

  • 木村 健一郎 市長

    Kenichiro
    Kimura

  • 岡野 啓介 学長

    Keisuke
    Okano

  • 大橋 広宣 さん

    Hironobu
    Ohashi

    司会を務めたのはこの方!
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「学長×市長」スペシャル対談

地域に学び、地域に輝く 周南市とともに歩む徳山大学の挑戦

DISCUSSION 002

周南市にとっての徳山大学はよきパートナーであり、大切な宝物

── 開学から40年以上を経た徳山大学ですが、市長から見て、周南市における徳山大学とはどのような存在ですか?

実は徳山大学の1期生は、私の同級生の世代なんですね。その1期生以降、長い歴史の中で多くの優秀な人材を地元社会に輩出し、教育面でもスポーツ・文化の面でも功績を残されてきた。その意味で徳山大学は周南市にとって、なくてはならない存在。よきパートナーであり、大切な宝物のような存在とも言えます。

徳山大学は設立趣旨に"地域社会への貢献"が掲げられていましたから、その意味でもまさに地域とともに歩んできた大学と言えます。全国各地から集まった学生たちがここ周南の地に住み、日々通学し、学び、遊び、アルバイトをするなど、地域社会に学生が溶け込んでもいる。ある試算では、周南市における徳山大学の経済効果は、20億円以上にもなるそうです。

そういった直接的な経済効果はもちろん、数字には表れない部分での貢献も大きいですね。市の各種審議会に大学の先生方に入っていただいて専門的な指導を仰いだり、公開講座をはじめとする地域住民の学びの場を提供していただいたりと、地域と連携する活動は市にとって本当に貴重なものです。

公開講座といえば、2013年度は公開講座『地域と産業』の中で、木村市長にも講師を務めていただきました。受講者にはかなり多くの一般市民の方々も含まれ、とても好評でしたね。

学生さんや市民の皆さんに周南市の産業の過去と現在、未来についてお話をさせていただいたのですが、私にとっても貴重な体験でした。受講された学生さんからも「周南のよさ、強みを知ることができた」などの感想もいただきました。

『地域と産業』は、地域の有識者の方々にも協力いただきながら、学生や市民の「地域志向性」を創り上げていくことをねらった講義の1つです。歴史や文化を対象とする「地域文化講座」もあって、それぞれ、株式会社トクヤマ、東ソー株式会社など、地域企業のご支援(寄付)を得て、実施しています。また、2014年度からスタートする2年次の新規科目「地域ゼミ」は、大学教員がもつさまざまな研究シーズ(種)を活用して解決にあたることのできる身近な地域課題を探し出し、学生と教員がいっしょになって調査・分析し、解決策の提示まで行うAL型の授業です。研究の課題を地域に見出し、その解決に向けた活動を教育と一体化することによって地域活性化に貢献する。そうした実績を積み重ねて、"地域に輝く大学"の実現をめざそうとしているのです。

地域の中で、地域とともに、地域のために活動しながら人間を育てていくということですね。大学が象牙の塔として孤立するのではなく、地域とともにあるということは、周南市民の"市民力"アップにも大変大きな力になります。

そのとおりですね。大事なことは、我々がめざしている大学改革を市民の皆さんが理解し、その成果を実感していただけるようにならなくてはいけないということです。大学の研究と教育のアクティビティーが地域の活性化に役立っていると評価されるようになってはじめて、徳山大学は地域に輝く大学になれるのだと思います。

DISCUSSION 003

経済分野、福祉分野のみならず文化やスポーツ面での貢献も大きい

── 先ほど市長の言葉に"市民力"アップという言葉が ありましたが、市長が感じている徳山大学の周南市への貢献としては、どんなものが挙げられますか。

例えば経済面では、地域経済についてのさまざまな調査・研究、経済効果の測定などでお世話になっていますし、文化面では、周南市で開かれている「周南萌えサミット」や「周南『絆』映画祭」などに多くの学生さんや先生方が参加してくださっています。また、スポーツ面では、野球やサッカー、レスリングなど、さまざまな競技で徳山大学の選手が活躍されて市民に勇気を与えてくれています。選手や指導者の方が地域の少年少女の指導にもあたってくださっているのも、とてもありがたいことです。

また、教員をめざす学生が地域の小・中学校に出向き、遠足の引率や運動会の支援をするといった活動も毎年、恒例になっています。学校の先生や子どもたちからも大変感謝されており、何よりも学生たちにとって、よい学修の場になるので、今後、こういった取り組みを単なるボランティアとしてではなく、先ほどお話した「地域ゼミ」などのPBL型学修の一環として行えるようにしていきたいと考えています。

さらに、忘れてはならないのが福祉面での貢献ですね。周南市では昨年、高齢者の孤独死・孤立死を防ぐために、24時間365日体制で高齢者のあらゆる相談に応じる「もやいネットセンター」を設立しましたが、専門職スタッフによる高齢者支援のしくみや、電気・水道・ガス会社や新聞販売店などと連携をとっての見守り体制など、徳山大学の先生に指導をいただきながらシステムを構築していきました。もちろん、高齢化は周南市においても重要な課題であり、今後の地域福祉の担い手を育成するという意味においても、大きな期待を寄せているところです。

そのほか、徳山大学としては国際交流にも力を入れています。例えば、本学の留学生が市内の小学校に赴いて、それぞれの母国の童話を日本語で読み聞かせしたり、それを聞いた児童とディベートしたりという活動も企画しています。

周南市の外国人登録者のうち、約20%が徳山大学の留学生なのだそうですね。毎年、ポプラ祭では外国人留学生による日本語弁論大会が行われていますが、内容も意識もレベルが高く、とても驚かされます。国際交流というのは国と国が行うものではなくて、個人と個人、地域と個人、地域と地域で行う時代。その意味で、たくさんの留学生がこの周南市に来て学び、市民と交流されているということは素晴らしいことだと感じます。